盆に母屋の死んだじいちゃんの夢を見た。
母に言ったら、
「じいちゃん帰って来たんだね」
と言われた。
※
それから10年。
10年も経ってから、
「実はあの時、お母さんもじいちゃんの夢を見たの」
と母が言う。
『今更かい!?』と思ったら、弟もじいちゃんが死んだ年の盆に、じいちゃんの夢を見たとか言い出して…。
三人の夢は下記の通り。
弟は、うちの前を通過するじいちゃんの夢。
母は、じいちゃんが角を曲がる夢。
私は、じいちゃんが私の部屋の軒下を歩いている夢。
夢を繋げたら、じいちゃんが母屋である自分の家に向かって歩いているという一つのシーンになった。
しかも三人共通して、じいちゃんの服装まで当てた。
初盆にじいちゃん帰って来たんだね。
10年経ったがジーンと来たよ。
※
あと、もう一つ。
次は、ばあちゃんの夢。
死んだばあちゃんが家に来た夢を見た。
私は、
「死んだばあちゃんが帰って来た」
と大騒ぎ。
ばあちゃんはおもむろに家の物置小屋に入って、漬け物をほじくり出した。
「ばあちゃん、天国でも漬け物漬けとるんか?」
と聞いたら、
「当たり前だ」
と返事が。
※
そこで夢は終わったのだが、気になって気になって弟とゴミやら何やらで溢れ返っている物置小屋に入ってみた。
実は家の大掃除をした時、ここだけ掃除しなかったのだ。
ばあちゃんが漬け物をほじくり出していた所の粗大ゴミを掻き分けたら…出て来てしまった。
縄で縛られた、漬け物を入れていた小さな樽が。
開けたらウリの漬け物、腐ってたよ。
ばあちゃん、気になっていたんだね。
ごめんね、貰った時点で食べれば良かったのに。こんなに粗末にしてしまって…。
お母さんとお父さんの前で泣いたよ。