私が中学2年生の時、同じ部活に『自称霊感が強い』先輩が居ました。
私は当時、あまりそういうオカルト的なものは信じていませんでした。
ですので、その先輩の体験した話なども半信半疑で聞いていました。
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ある夜、私が生まれて初めて『金縛り』というものに遭った時です。
怖くて目を瞑っていたのですが、何故か瞼の裏に禿げた中年の男が映っていました。
恐怖のあまりどうしたら良いのか分からなかったのですが、ふと先輩の言葉を思い出したのです。
「もし幽霊を見たら、
『○○町3丁目の××(先輩の名前)の所に行って下さい』
と言えば、私の所に来るから。大丈夫だよ」
私は一心不乱に「○○町3丁目の××さんの所へ行って下さい!」と繰り返しました。
暫くすると金縛りは解け、疲れた私は寝てしまったようです。
※
翌朝、部活の朝練に先輩は来ませんでした。
昼休みに私を訪ねた先輩は言いました。
「昨夜、あんたの所に禿げのおじさんが出たでしょ。
あたしの所に来たよ。だから朝起きられなかった~」
私はその言葉にドキッとしました。
昨夜のことは夢かもしれないと思って、誰にも話していなかったのです。
それ以来、私は霊的な出来事も信じるようになりました。