5年くらい前、カンザスで釣りをしていたときのことだ。
あたりが暗くなってきて、もう帰ろうかと思った時、川の向こう岸にある生き物がいることに気が付いたんだ。
背の高さは 1.2メートルくらいで、灰色の肌をしていて、毛の無いネコみたいな頭に、人間のような体つきをした見たこともない生き物だった。
その生き物は、踊っているみたいに頭を左右に揺らしながら、まるで見てはいけないものを見たかのような目つきで、僕の方をまっすぐ見つめていたよ。
僕はその生き物から目を離さないまま、これまで感じたことのない恐怖に包まれながらナイフを手に持った。
すると、その生き物は甲高くて大きな音を発しながら、森の中に消えていったんだ……。
あんな音は今まで聞いたこともないし、これからだって聞きたくもない。
今では釣りに行くときは拳銃を持って行ってるよ。