日本時代劇の代名詞と言っても過言ではない水戸黄門。
水戸黄門と言えば毎回一話完結が当たり前のように思えるが、昔はたまに前編・後編と分かれて放送することもあった。
しかし、シリーズ後半では全くといって良いほどそれはなくなる。
それにはある理由が隠されていた。
それは、1980年代の放送で、当時はまだ敵だったお銀と飛猿が舟に爆弾を仕掛け、ご老公暗殺を目論むという話があった時のこと。
舟が爆破されたところで続きは来週となったのだが、放送終了後に一本の電話がテレビ局にかかってきた。
電話の相手は高齢の女性で、内容はこういうものだ。
「私のような年寄りは来週まで生きているか分からない。だから分けて放送しないでほしい」
それを聞いたプロデューサーはそれ以降、週をまたぐ話を作らなかったそうだ。
半世紀近くも続いた人気番組には、黄門様ばりの人情話が隠されていたようである。