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地下四階の神棚

東京

東京のとある地区にそびえ立つ高層ビルの地下四階に、ひっそりと神棚が設置されている。このビルはかつて某家の屋敷跡に建設されたことが知られており、地鎮祭で使われたと思われる古銭や土器が建設中に発掘されている。

このビルディングで働く職員は、月に二回の定められた日にこの神棚に拝礼を行う。これは土地に纏わる霊を鎮めるための儀式であり、地下の深さゆえに霊魂が集まるとされている。

かつてこの場所は江戸時代に屋敷があり、その後陸軍駐屯地や防衛庁舎として利用された。屋敷から陸軍駐屯地への変貌の際、多くの幽霊話が生まれ、軍隊生活に疲れ精神を病んだ者が自殺する怪異が語られていた。

防衛庁舎時代には、多くの自殺があり、特に役人が高階から身を投げる事件が絶えなかった。「役人が降って来るから建物の近くは歩くな」と当時の人々はよく警告していた。

隣接する公園の池も心霊現象の発生と深い関係がある。江戸時代から池の中島には祠が建てられ、神様が祀られていたが、米軍将校宿舎建設の際に無残にも破壊された。これにより、土地の霊を鎮める力は大きく損なわれたとされ、後に公園で奇行を行った人気芸能人の行動にも、その影響があったのかもしれない。

かつて様々な因縁に満ちたこの土地は、現代においては新しいビルディングとして知られるようになったが、地下四階に設置された神棚や建設中の霊現象を考えると、この地が死や霊を呼び寄せる因縁深い場所であることには変わりない。

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