僕がまだ子供だったころ、寝るときになるといつもある ”笑い声“ が聞こえていたんだ。
5、6歳のときには、廊下に響き渡る笑い声で、夜中に目を覚ますことも度々あったよ。
母にこのことを話したら、テレビを消し忘れただけじゃないかなんて言われたりしてたけれど、ある晩こんなことが起こったんだ……。
ある晩、いつもの笑い声で僕は目を覚ました。
起き上がろうとした途端、誰かに肩をつかまれて、ギュッと押されているような感じがして体が動かなくなってしまったんだ。
その間もずっと笑い声は聞こえてきていたよ。
僕が大声で叫んだら、母親が飛んできて、ベッドサイドのランプをつけて「ただ夢を見ただけだ」となぐさめてくれた。
でも、肩に痛みを感じた僕は、シャツをめくってその部分を見てみたら、大人の手の痕がクッキリとついていたんだ。
僕は、その出来事をただの夢だと思っていたんだけど、何気なく母に話してみたら、
母は顔を真っ青にして「思い出したくもない」と言っていたっけ。