小学校低学年の頃に都内某区に住んでたんだけど、近所に有名な廃墟があった。
ある日友人達数人と一緒にそこへ探検に行こうという話になって学校の帰りに行ってみた。
でも、いざ到着するとみんな異様な雰囲気に圧倒されてしまい「どうする?」と躊躇していたら、「フーッ」という大きな溜め息のような女の声が聞こえてきて、全員パニックになって逃げ出した。
その後私は父の転勤で引っ越してしまい、その廃墟に行く事は2度となかった。
そして数年前になぜかその廃墟の事を思い出して両親や姉に話してみたら、そんな廃墟はなかったと言う。
「そんなはずはない、近所では有名な廃墟で私は友達と探検に行った」
と言っても、
「あそこは元々空き地だったよ。他の場所と勘違いしてるんじゃないの」
と言われるばかり。
まさかと思って両親や姉に何度も場所を確かめたが、やはり間違っていなかった。
両親や姉が私を担いでいるとも思えず、怖くはないが不思議だった。
25年くらい前の事なので一緒に行った友人達が誰だったか私も覚えておらず、また当時の友人達とは完全に縁が切れており連絡先も一切分からないため、真相を確かめる事ができない。