俺が小学校低学年の時、25年くらい前かな。
当時住んでたとこの近くに公園があった。
ある日、友達と遊んでて帰りが遅くなったとき、公園のところを通ったとき、20歳くらいの人に話しかけられた。
「君、ちょっと聞きたいんだけど、ここはなんていうところなんだい?」って聞かれた。
勿論『なに、この人?』みたいに思ったけど、当時警戒心もなかった漏れは地名を教えてあげた。
それでその日は帰ったんだけど、それからも何回か公園で会って、話したりした。
その人が言うには、自分は未来から来たといってた。
なんでもその人は大学生だったらしいけど、ある日目覚めたらこの近くにいたらしい。
じゃあどうやって生活してるんだって話だが、小学生の頭じゃそこまで考えていなかった。
それで
「えー、嘘だよ。じゃあ証拠みせてよ」と言うと、
「これくらいしかないけど」
とタバコケースよりいくらか小さい機械を見せてくれた。
それは写真を撮ったり、歌を流したりできた。
確かラジオも聞けたはず。他にも、電話やメッセージを送ったりできると言っていた。
SFの世界から出てきたようなそれに、マジで興奮していたと思う。
俺はもっと未来の話を聞きたかったが、その日はもう遅かったのでそのまま別れた。
次の日、放課後すぐに公園に行ったがその人はいなかった。
結局それから2度と彼と会うことはなかった。結局彼はどこの誰か、その後どうなったのかわからない。
本当に未来から来たのか、今となっては知る術もない…。