夜遅くの帰り道、公園の横を通った。遠くから歩きながら公園の方を見ると、なんか違和感がある。
近づいていくと、違和感の正体が分かった。電信柱の長さが違う。一方の電信柱の上に、髪が長く黒い服を着た女が前のめりに立っていた。
顔は青白く、笑っているように見えた。
これは目があってはいけないと、慌てて目をそらして歩いた。無気味の一言だった。
もともと霊感ゼロなので自分でみたものの半信半疑だったので、昼間に同じ場所に行った。その電信柱は他と全く変わらず、そのことがかえって昨晩の目撃が現実であることを示していた。
幽霊であるかどうかは別としても、電信柱の高さは間違いなく違っていた。女は確かにそこにいた。
妙に頭が大きいように見えた。
電信柱の上なので距離があるはずなのに、顔だけバンッと飛び出ているような。
何とも言い難いが、とにかく、禍々しいの一言だった。公園の前にある家を覗いているようだった。
自分の家の前にも電信柱があったので、しばらく誰かいないかビクビクしながら見上げたものでした。