不思議な体験や洒落にならない怖い話まとめ – ミステリー

マイルドセブン

煙草を持つ手(フリー素材)

先月、仕事で千葉のホテルに一週間ほど滞在した。そこは普通のビジネスホテルで、滞在2日目の夜の事。

タバコが切れたので階に設置されてる自販機で買おうと部屋を出て、自販機の所まで来たが小銭が無い事に気付き、フロントまで行って両替してもらおうかと考えていた。

そこに通り掛かったホテルの従業員から「何かお困りですか?」と話し掛けられ、小銭が無い事を話す。

すると「後ほどお部屋にお持ちしますので、お部屋でお待ちください」と言われた。

私は部屋番号と銘柄を告げ、代金は部屋の料金に加算してくれると言うので部屋に戻った。

しかし部屋で一時間くらい待っても全然届かないので、『忘れたのかな?』と思い、その日はそのまま寝た。

翌朝、タバコは外で買えば良いのでさほど気にせず外出。

夕方くらいにホテルの部屋に戻り、暫くしてあるものに気付きました。

机の上にタバコが置かれていました…が、そのタバコが…。

私はマイルドセブンを吸っていて、置かれていたタバコもマイルドセブンなのですが、パッケージが旧いんです。

私が小学生の頃、父親もマイルドセブンを吸っていたのでよく覚えていますが、20年ほど前のパッケージのマイルドセブンが置かれていたんです。

怖いと言うより薄気味悪く、すぐにフロントに電話をし、従業員の方が3人ほど駆け付けてくれたので経緯を話しました。

話している内に、従業員が深夜にお客様が泊まる階をうろつくような事は基本的に無いと言われました。

そして、まず持ち物など無くなっていないか確認して欲しいと言われたので確認し、特に異常が無いと話しました。

それと部外者が悪戯で侵入した可能性など考え、安全のため他の部屋を用意すると告げられ、私は泊まっていた部屋より四部屋ほど奥の部屋に移動しました。

置かれていたタバコを渡し、念のため警察にも連絡して調べるとの事で、後味が悪いながらも取り敢えずその事は考えないようにしました。

その後、数日間は何も無かったのですが…。

宿泊最終日の深夜、寝ていたところドアを叩く音が聞こえました。

段々音が大きくなり、深夜に何事かとドアに近付くと音は止み、覗き穴から外を見ても誰も居ません。

流石にドア開けるのは怖かったので恐る恐るベッドに戻りましたが、またドアがドンドン叩かれます。

滅茶苦茶怖いのでフロントに電話をしたら音が止み、従業員が駆け付けてくれました。

外から声を掛けられ、恐る恐るドアを開けると従業員が一人居ました。しかし表情が何だか優れません。

それで外側のドア部分を見たら、炭のような黒い手形が何箇所も付いていました。

凄く怖くなって、ホテルがまた部屋を用意すると言うのを振り切り、漫画喫茶に避難。

その後は私の周りには何も起きていませんが、あれは何だったのか今でも解らないでいます。

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