サイトアイコン 怖い話や不思議な体験、異世界に行った話まとめ – ミステリー

天国への踊り子

ゲーム機

PlayStation Homeを始めた頃の話。

あるお化け屋敷ラウンジに、いつログインしてもずっと踊り続けているアバターが2体いるんだ。仮に「ぶらきゅー」さんと「はぴぴ」さんとしておく。

彼女たち2人は、僕の知る限り少なくとも1年間以上ずっと同じ場所で踊っている。

きっとラウンジ運営側が用意したダミーアバターか何かだと当時は思っていて、ラウンジを訪れては返事が無いのも気にせず毎回冗談で語り掛けていたんだ。

でも、ある日ふと思い立って彼女たちのプロフィールを見てみたら、「ぶらきゅー」さんにゲーム実績(トロフィー)があることに気が付いたんだ。

そこでフレンド登録以来のメールを出してみると、なんと返事が返って来た。

彼女はユーザーの操る本物のアバターだったんだ。

でも、何かおかしい。僕は一つの疑問を抱いた。

PlayStation Homeは週に一度メンテナンスがあり、全てのユーザーはメンテナンス時には強制ログアウトになる。

それなのに彼女たちは1ミリたりとも動かずに1年以上もずっと同じ場所で踊っている。

そこで、週一で行なわれるメンテナンス明け直後に即効でログインし、彼女たちがそこにいるかどうか確認してみることにしたんだ。

と言うのは、メンテナンスで全アバターが強制的に切断されるから、彼女たちが実在するユーザーのアバターなら、メンテナンス明け直後に再ログインして来るはずだ。

それで、メンテナンスが明けるとほぼ同時にログインした。しかし、彼女たちは既にそこにいた。

中の人が実在するなら、さすがにこのタイミングなら中の人もいるだろうと思い「おーい。いるー?」と話しかけた。しかし返事が無い。しばらく待ってみたが無駄のようだ。

諦めてそのラウンジから出ようとしたその時…、ゆっくりと「ぶらきゅー」さんのキャラが不規則に動き出した。

「なんだいるんじゃーん? っつかなんでいつも放置なの?」

そう聞くと彼女はこう言った。

「一人で天国に行くのはさみしかったから^^」

そう言われた瞬間、全身に鳥肌が立った。

次の瞬間、チャットログが超高速で

「一緒に死の^^」「一緒に死の^^」「一緒に死の^^」「一緒に死の^^」「一緒に死の^^」

「とららとららとららとららとららとららとららとららとららとららとららとららとらら…」

「とららとららとららとららとららとららとらら

という文字で埋め尽くされ、突然画面がホアイトアウトしてネットワークエラー。PlayStation Homeから切断された。

それ以降、怖くてそのラウンジには近づけない。

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