『一夜物語』という携帯ゲームを知っていますか?
そのゲームのオープニングで狐の話が出るのです。
あの話を制作者が知っているかどうかは別にして、実は非常によく似た話があります。
※
先日、不思議な夢を見ました。
夢の中で一人の男の子と遊んでいるんです。
ベーゴマやおはじきなど、かなり昔の遊びです。やり方も知らない筈なのに。
暗くなってきてお家に帰ろうとなった時に、その男の子は遊び足りないのか、
「僕の家に来て一緒に遊ぼう」
と言ったんです。
でももう暗いし、早く帰らないとお母さんに怒られるからと断ったんです。
それでもその男の子は、家においでとしつこく誘ってくるので、じゃああと一回ベーゴマ勝負して、負けたら行くよって言ったんです。
結局勝負には勝って、その時は帰るということになったのですが、帰る時にその男の子が物凄く悔しそうな、寂しそうな表情をしていました。
何だかいたたまれない気持ちになって、
「明日、また遊ぼう」
と言い帰りました。
※
そこでふと目が覚めて『ああ夢だったんだ、不思議な夢だな』と思った瞬間、耳元で
「次は連れて行くからね」
と聞こえたんです。
その瞬間、ある事を思い出しました。
発端は今から20年近く前、小学校の担任がホームルームの時に怖い話をしてくれました。
寂しく孤独な狐の話。
話の内容は割愛しますが、非常に怖く、でも何故だか妙に寂しい気持ちになったのを憶えています。
話の最後に先生は、
「この話を忘れた頃、みんなのところにも狐が迎えに来るよ」
と言ったんです。
それで『ああ、狐が迎えに来たんだな』と思いました。
もし最後に負けていたら、私はどうなっていたのでしょう。