1926年、とある県境の山中にて、14歳ぐらいの少女が発見された。
その少女は、誰も触れることが出来ず、自ら動くこともなかった。
まさに狐につままれたような不思議な現象に誰もが驚いた。
結局どうすることも出来ず、少女の救出を諦めた。
しかし、その二週間後。
救助に当たった救急隊員が全員怪死を遂げてしまった。
布団に全く焦げ跡も付けずに、全身黒焦げで寝たまま死んでいたり、喉が渇いたと言って外に出て行き、何時間も帰らないのを心配した家族が見に行くと、口一杯に牛糞を詰めたまま窒息死していたりなど、奇っ怪な死を遂げている。
その少女が見つかった山中の近くの集落に、とある伝承がある。
どちらかと言えば掟と呼ばれるものかもしれない。
その伝承とは、
「境界線に触れてはならない」
あなたがもしどこかの山中で一人でいる少女に出会っても、それには決して触れないほうが賢明だろう。