1947年7月8日、ロズウェル・デイリー・レコード紙の夕刊に、ニューメキシコ州ロズウェル北西120キロ程の所にあるJ・B・フォスター牧場に「空飛ぶ円盤」が墜落し、その残骸を軍が回収したという話が載った。
事件は1947年の7月2日夜22時頃、ロズウェルの北西コロナ近郊の牧場に、雷鳴ではない何かの爆発音が鳴り響いたという。
その音を聞いて不審に思った牧場主のウィリアム・W・ブレーゼルは、翌日息子たちと牧場を見回りに行くと、何かの金属片の残骸が広範囲に散らばっていた。
ブレーゼルはいくつかの破片を家に持ち帰って調べてみたが、何の破片かは見当も付かなかったという。
7月7日になって町に出かけたブレーゼルは保安官にこのことを話し、保安官は陸軍飛行場のロズウェル基地に連絡した。
情報将校ジェシー・A・マーセル少佐と、対敵情報部隊シェリダン・キャベット大尉とその部下が金属片の回収に当たった。
7月8日、ロズウェル基地の広報官ウォルター・ハウト中尉は「空飛ぶ円盤の残骸を回収した」とのプレスリリースを発表。
一方、フォートワース基地に到着した残骸は、同基地のロジャー・レイミー准将に引き継がれ、マーセルはレイミーから余計な口外はしないよう命令を受けた。
レイミーはラジオ報告で、先の円盤回収報道は間違いで、残骸は気象観測用気球だったとマスコミに向け訂正発表を行った。
次の日のロズウェル・デイリー・レコード紙には「謎の物体の正体は、ただの気象観測用気球であり、墜落した空飛ぶ円盤ではなかった」との記事が載り、熱狂は一夜のうちに収まった。
その後も1978年にUFO研究家により事件が発掘され、1990年代に大きなミステリーとして話題になったが、真相は判っていない。