これは一年と少し前、実際に見た話です。
家の近くで子供3人が遊んでいる横を自転車で通ろうとした時のこと…。
『何か変やなあ、見間違いかなあ』と最初は思っていたんです。
でも段々近付くにつれ、真相が解ってきたんです。
小学6年生くらいの子供が左手に持っていたのがね、恐らく同年代の子供のものと思われる、右の脇の付け根から先の腕だったんです。
それを背中に入れたり、脇に持って行ったり、それで肩をとんとんしたり、臭いを嗅いだりして遊んでいるんですよ。
俺はもう恐くて恐くて…。
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暫く先へ行くと、道に血管らしきものが落ちていました。
更に先へ行くと子供が道に倒れていて、辺り一面が血の池になっていたんです。
その子供は暫くして意識が戻ったようで、壁にもたれたまま左手で右腕の付け根を触ろうとしていました。
腕が無いことに気が付いたようで、彼は
「腕がない、腕がない」
と泣いていました。
切り口からはまるでポンプのように血が溢れ出ていました。
もうその子の唇は紫色で、誰が見ても生き延びられそうな状態では無かったです。
更に気になったのは、その子の周りに近所のおばさんが居たんですけど、救急車を呼ぶどころかただ物珍しそうに見ていたことです。
数日後、近所の集会所の立て札には「○○ちゃん葬儀会場」と書いてありました。
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あの腕、その後どうしたんでしょうねえ…。
あの子が亡くなったことを聞いた、腕で遊んでいた子の親は何と言ったのでしょうかねえ。
まったく恐ろしい一日でした。