僕が中学生の頃の実体験。
当時、僕はその辺りでは一番大きなマンションの7階に住んでいました。
受験を控え、一応は深夜まで勉強する事が多かった僕は、2時頃から3時頃までの間に、すきっ腹を満たすため近くのコンビニへ行くのが半ば習慣になっていました。
しかし、ある日の深夜、例のごとく2時を少し過ぎた頃にコンビニへと行くために通ったそのマンション付属の公園で奇妙な人を見たのです。
その人は明らかにパジャマであろう真っ白な衣服を身に着け公園のベンチにうつむき加減で座っており、真っ黒く長い髪の毛がその顔を覆っておりよく顔を見る事は出来ませんでしたが、何よりもそんな時間にそんな格好をした人がベンチに座っているという事が僕を驚かせ、足早にその人の前を通り過ぎました。
しかし、当時この図にある道路の上には精神病院があり、僕はそこの人がこっそりと抜け出し、夏の暑い夜だったので涼んでいるのだろうと自分に言い聞かせコンビニで買い物を済ませた後、その公園へと向かいました。
マンションに帰るにはどうしてもその公園を通らなければなりません。
そして、公園の例のベンチに目をやると、まだそこに女の人はじっと座っていました。
その時は、正直恐怖を感じ、でもゆっくりと歩を進めました。走る事は、なぜかできなかったのです。
そして、公園を抜けマンションの入り口へさしかかった時に、嫌な好奇心に刈られ、後ろを振り向いた僕の目に、その人の顔がはっきりと見えました。
いや、顔が見えたというより、その人の顔の3分の1以上が真っ赤な唇が見えたのでした。
これは僕の単なる勘違い、見間違いなのかもしれません。怖い話ですらないのかもしれません。
でも、僕は未だにその時の映像が頭の中に色濃く残っています。