俺営業マンなんだけど、今朝は会社に寄らずに直接顧客のところへ直行の日だった。
営業先の某有名アニメーション学園がある駅の改札を降りたところで、変なモノに気付いちゃったんだよね。
何か改札の外に、ピンク色のホットパンツとタンクトップ姿の女の子(背格好からして小学校高学年ぐらい)がいたんだけど、その子を見た瞬間、なんか妙に頭の中がざわざわしたわけよ。
うまく言えないが、強烈な違和感があるのよ。
鞄の中の Suicaを探すふりしながらチラチラ見てて気付いたんだけど、何か色々変なのよ。その子。
その子の手足が異常に細くて長いの。
長いと言っても化け物って程じゃなくて、ギリギリ人間レベルなんだけど、良く言えばモデル風、悪く言えば栄養失調児みたいな感じ。
なんか妙に色も白くて生気がない感じ。
それで、その子が隣にいる二十歳ぐらいの男の子の鞄の中に一生懸命何か入れてるのよ。
男の子はどこにでもいるような男の子で、隣にいる友達と談笑してるんだけど、おかしくないか?
自分の鞄に何か入れられてるのに気付いてないんだぜ。
妹かとも思ったけど、それも変だと思わない?
だってこれから予備校に行きそうな男の子が、妹を連れて朝の9時にそんなところにいるかな?
何か変じゃないかと思ってたら男の子達が歩き始めたんだけど、その子は男の子たちに付いて行く訳でもなく、その場に残っているんだよね。
俯いて、地面をじーっと見ながら。
俺はそれを見た瞬間に背中に鳥肌が立って怖くなったんだけど、朝だし人はそれなりにいるから何かあっても大丈夫だと思って、その子の近くの改札を通って様子を確認しようと思ったわけよ。
それでその子の目の前の改札通りながら、携帯で時間を確認するふりしながら、その子の方をチラミしたんだけど、心の底からやめときゃよかったと思ったよ。
その子が手に持ってたのはネズミの頭のミイラっぽいので(今思えば剥製とか玩具かもしれないけど、それでもやっぱりおかしいと思う)、しかもその子は俯きながら
「ゲ ゲ ゲ ゲ ゲ ゲ ゲ ゲ」
って笑ってるのよ。
髪で顔は見えなかったけど、凄いだみ声で。
その後、メールチェックしてるふりをしながら早足で通り過ぎたんだけど、追ってくる様子もなかったから心底安心したよ。
帰りは怖くてタクシー捕まえて会社に帰ったんだけど、明日もまた直接顧客のところに行かなきゃいかないんだよね。
マジで怖くてたまらん。
誰か何か知らない?
場所は東京の山手線の某駅。
某有名アニメーション学園とか、某有名予備校とか、某共産主義政党の本部がある駅。