約20年前、私はある番組制作会社でアシスタントディレクターとして働いていました。その時期、女性アイドルと霊能力者が心霊スポットを検証する番組の収録に携わっていたのですが、その際、忘れられない出来事が起きました。
収録中、アイドルが突如白目を剥き、周囲のスタッフに掴みかかり、噛みつくという異常行動を見せました。彼女の顔は人間離れしていて、左右非対称に歪み、目は異なる方向を睨んでいました。発する声も女性らしさを失い、動物的な唸り声となっていました。さらに、立ったまま排泄をしてしまい、現場は混乱に陥りました。
幸い、霊能力者の必死の御祓いにより、アイドルは元の状態に戻りましたが、彼女自身はその時の出来事を全く覚えていなかったとのことです。この一件により、番組はお蔵入りとなり、関連するテープは全て廃棄されました。また、この出来事に関する話題は事務所からの要請により封印されました。
しかし、この事件には更なる続きがあります。収録現場でアイドルに噛みつかれた2名のスタッフが、半月以内に重大なアクシデントに見舞われました。一人は交通事故で片足麻痺に、もう一人は突然の意識不明に陥り、意識が戻ったとしても記憶喪失の状態でした。また、そのアイドル自身も収録後1年以内に芸能界での活動が下火になっていきました。
この一連の出来事を経験した私は、精神的に大きな影響を受け、ノイローゼに近い状態となり、結局数ヶ月後に職を変えることにしました。偶然の重なりかもしれませんが、あの時の恐怖は今でも鮮明に私の記憶に残っています。