私はドコモ関連の設備管理の仕事をしていますが、昨年の年末に信じられない体験をしました。これまで幽霊や妖怪を信じたことはなかったのですが、この出来事は私の認識を覆すものでした。現実なのか幻覚なのかはっきりしないままですが、その日の出来事を話します。
昨年12月27日、私と上司2人で山頂にあるアンテナ鉄塔の点検に出かけました。途中で雪が深くなり、神社の前に車を停めて徒歩で進むことにしました。木の枝には雪が積もっておらず、Kさんは「木の枝に積もった雪はすぐに下へ落ちるから」と説明しました。鉄塔への道中、木の枝やフェンスに細く裂かれた黒い文字が書かれた紙が絡みついているのを見つけました。
鉄塔内では、動物の毛と血痕を発見しましたが、どうやら鹿のもののようでした。毛は集めて外に捨て、血痕を薄めました。点検中、遠くで「ホゥゥゥゥ」という声が聞こえ、私はその声の主を探しましたが、KさんとTさん以外には誰もいませんでした。
点検を終えて帰る途中、私は裸足の足跡を発見し、それは歩くと現れ消える不思議な現象でした。KさんとTさんは途中で神社に詣でると言い出し、私は何とか車に乗せて会社に戻りました。
翌日、KさんとTさんは休みを取り、Tさんはその後会社を辞めました。Kさんは行方不明になってしまい、連絡が取れなくなりました。あの山を降りる時に、彼らを無理にでも連れて帰るべきだったと後悔しています。