ある村に伝わる不気味な伝説がある。
その名は「クギヌシ様」と呼ばれる。
どこから現れるのかは分からないが、黒い帽子をかぶった女性の姿をしており、村に悪をもたらすと言われている。
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この話は、ある夏のある日、その村で起こった出来事だ。
ある家族が、祖父母の家を訪れていた。
家族は、村の慣習に従い、神社でお祈りを捧げることにした。
神社でお祈りを終えた後、家族は帰り道についた。
しかしその途中で、何かおかしなことに気づく。
空気が重く、周りが静かになっていた。
そして、遠くで何かが見えた。
それは黒い帽子をかぶった巨大な女性の姿である。
家族は恐怖に震え、逃げ出そうとした。
しかし、彼らは逃げられなかった。
クギヌシ様は彼らに向かって来る。
村の住人たちは、神社に向かい、クギヌシ様の姿を見たことを話す。
神社の神主は、この事態を重く受け止め、クギヌシ様を封じ込めるための方法を知っていた。
神主は家族に、家に帰り、窓に紙を貼るように言った。
そして夜になると、クギヌシ様の姿が現れる。
家族は、窓に紙を貼っていたため、クギヌシ様が家に入ることはできなかった。
クギヌシ様は夜通し家の周りをうろついたが、結局家族には手が出せなかった。
次の日、神主は家族とともに、クギヌシ様を封じ込めるための儀式を行った。
家族は恐怖に耐え、クギヌシ様が姿を現さなくなるまで待った。
それ以降、クギヌシ様の姿は消え去った。
村は再び平和になり、家族は安心して暮らし始めた。
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しかし、その後も夜の闇にまぎれて現れることがあった。
村の住人たちは、クギヌシ様を恐れ、外出を控えるようになった。
ある夜、若い男が友達と遊びに行く途中で、クギヌシ様の姿を目撃した。
彼は恐怖で身動きが取れなくなり、その場で硬直してしまった。
友達が彼を助けようとしたが、クギヌシ様は彼を捕らえ、姿を消した。
この事件を受け、村の住人たちは、再びクギヌシ様を封じ込めるための儀式を行うことに決めた。
しかし、儀式はうまくいかず、クギヌシ様は完全に封じ込められなかった。
村の住人たちは、クギヌシ様が現れる夜には家に閉じこもり、祈りを捧げるようになった。
クギヌシ様は次第に姿を現すことが減っていった。
村の住人たちも、少しずつ平和な日常を取り戻していった。
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ところがクギヌシ様の姿が完全に消えたわけではなく、今でも時折、村の周辺で目撃されることがある。
村の住人たちは、クギヌシ様の恐ろしさを忘れず、警戒を怠らないようにしている。
そして、村に訪れる旅人たちにも、クギヌシ様の存在と注意を呼びかけている。
クギヌシ様の伝説は、今も村の住人たちに語り継がれている。
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この怖い話は、村の不思議な伝説として、別の名前で多くの人々に知られるようになった。
そして、クギヌシ様は今でも、誰かが不用意にその姿を見るのを待ち構えているのかもしれない。
だから、もしもあなたがその村を訪れることがあるなら、クギヌシ様に気をつけてください。
そして、不用意に出くわさないように、いつも祈りを忘れずに。