某宗教団体(J・W)で、伝説的になっている話をひとつ書き込みます。
ある姉妹(その教団内ではバプテスマ=洗礼を受けた女性をこう呼びます)が、王国会館(集会を開く場所)の周りで草刈をしていた時のことです。
彼女の他にも数人の信者が外で同様に草刈をしていたのですが、たまたま彼女は一人、みんなとは少し離れたところで雑草を刈り込んでいました。
腰を屈め、軍手をはめた手で次々と、小さな草は引き抜き、大きく根の張ったものは鎌で刈り込んでいきます。
その王国会館の周りは畑と空き地に囲まれていて、彼女は空き地との境、草が密集しているところまできていました。
仲間の信者とはかなり離れてしまったようで、かすかに遠くの方から声が聞こえる程度です。
額に滲む汗を感じ、一息入れようと屈めていた腰を伸ばそうと思った時、突然笑い声が聞こえました。周りには誰一人いません。
首に巻いていた手ぬぐいで額の汗をふき取りながら、何処から声がするのか耳を傾けると、自分のすぐ前方、鬱蒼と生い茂る草むらから聞こえてきます。
しかも、近くの、目の前にある緑の草の葉が笑っているようでした。唾を飲みながらも、目を凝らして目の前の草を見つめると、本当に草の葉が笑い声を上げていました。
葉がゆらゆら揺れながら笑い声を上げているのです。
驚き戸惑いながらもこれは悪霊の仕業に違いない、そう思い、日ごろから自分の信仰を過信する傾向のあった彼女は、笑い声を上げる草の葉に向かって「そんな処で笑っているくらい暇なら、私の肩でも揉んでくれないかしら、草刈ですっかりこってしまっているの」と言い放ったのです。
すると、彼女が全ての言葉を言い終えるや否や、目の前の笑い声が瞬時に消え、今度は誰もいないはずの彼女の後ろから笑い声が現れ、次の瞬間には、彼女の肩が信じられないほど力で抑えつけられます。凄まじい音とともに彼女は両肩の骨を砕き折られました。